ツナ具③

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

2回にわたって、「実感とつなぐ」「学年とつなぐ」というお話をしてまいりました。

「つなぐ」とは言っても、つなぐための起点がないとつながらない。

そんなお話を今回はしていこうと思います。

起点はつくるもの

「つなぐ」ためには起点がいるのです。

幼少期からの体験知の積み重ねも重要ですが、それは塾の手が及ばないところです。

現古館のような小さな国語塾の手が及ぶのは、疑似体験知を習得できる環境をつくってあげられるぐらいのことでしょう。

身の回りの世界を知ることができる、自分の世界を広げることができる、知的好奇心を刺激してくれる。

そんな教養に満ちた書籍を紹介し、それをまずは読んでもらう。

読んだ内容を言語化してもらう。

分からない語は調べてもらう。

調べた語を使って文を作ってもらう。

文章を読んで分かったことは要約してもらう。

「~は~だからだ。」「~とは~ことだ。」と言語化してもらう。

言語化してもらったものを一文一文チェックする。

必要に応じて口頭試問を用いて、理解した内容を確認する。

私にできるのは、これ「だけ」です。

「だけ」の威力

現古館に通ってくれる生徒の話を聞いていると、「だけ」は「だけ」ではないのだな、と実感させられます。

私の指導の基本は口頭試問ですが、「なんでそう考えたの?」「どうしてそうなるの?」「どこに書いてあるの?」とツッコミを入れると、通い始めてすぐの生徒は「間違えた」と感じてしまうんですね。

合っていようが間違っていようが、思考の過程が適切かどうか確認するのが私の中の「当たり前」なのですが、生徒のほとんどはそういう経験を積んできていないのです。

答えには根拠が必要だ、という発想があるだけで上位数%の世界というのは、とても恐ろしいことだと思います。

が、それが実情なんです。

小学生講座の充実化

国語の指導を始めて12年目を迎えます。

主戦場は「高校入試」「大学入試」でしたが、2年前に中学受験指導を本格的に始めてからというもの、低学年から起点をつくることの重要性を強く感じています。

そこで、【世界を広げる小学生教養講座】を開講いたします。

小学生の通常コースにも様々な仕掛けを施していますが、文章題を読み、解くことをベースに設計しています。

しかし、【世界を広げる小学生教養講座】については、その「仕掛け」の部分に重点を置き、読書をベースとして様々な課題をクリアしていく形式をとります。

すべての小学生に、自信をもってお勧めできる講座を構築しました。

上述の指導の価値をご理解いただける方のご参加をお待ちしております。

詳細は追ってお知らせいたしますね。

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