高校漢文:共通テスト一問一答②
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
共通テスト漢文において最も難しいとされるのは「白文からの書き下し問題」です。
が、「語句の意味を問う問題」はお手軽なわりに4点×3で12点の配点が与えられています。
ここをまず完答していくことが、高得点を狙ううえでの土台になりますから、過去に問われたものは確実にとれるようにしておきましょう。
それが出題されなかったとしても、本文を理解するうえで重要な語句であることは間違いありませんから。
それではいってみましょう。
2022年共テ本試
(ア)復
①なお
②ふと
③じっと
④ふたたび
⑤まだ
(イ)審
①正しく
②詳しく
③急いで
④謹んで
⑤静かに
蝶其の〈画家の〉袖に落ち良(やや)久しくして其の形色を (ウ)得、 従容として〈ゆったりと〉翅を鼓(う)ちて去る。
①気がつく
②手にする
③映しだす
④把握する
⑤捕獲する
解答・解説
(ア)④
重要語「また」が読めれば一撃の問題ですね。
反「復」横跳びは「何度も」「ふたたび」同じ場所を往復する、なんていうイメージで覚えてもよいでしょう。
(イ)②
こちらも重要語「つまびらかなり」が読めるかどうかの問題です。
「審議」「審査」「審判」、このあたりの熟語から類推すれば、「詳しく」という意味を導けるでしょう。
語句の意味を問う問題は、単漢字からの熟語類推能力が重要なので、隙あらば熟語を考える、それを別の語に言い換える、という訓練を積んでみてください。
(ウ)④
ここは多義語が問題となっています。
「手に入れる」という基本のイメージから、多様な意味へと派生していきますが、そのすべてを覚えようとするのは非効率的です。
基本のイメージを軸にして、前後文脈から意味を類推してあげましょう。
蝶が画家の袖に止まっている間に「形色」を「得」るわけですから、画家が蝶の特徴を「把握する」と考えるのが適切でしょう。