高校古文:解釈演習⑤
共通テスト対策の一環として、過去の入試で出題された解釈問題の解説を行います。
文脈が必要なものは適宜補いながら出題しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
2018年センター本試
(ア)あながちにわりなく
①ひたむきで抑えがたく
②かえって理不尽に
③なんとなく不合理に
④ややありきたりに
⑤どうしようもなく無粋に
(イ)いかにもあれ
①言うまでもなく
②そうではあるが
③どのようであっても
④どういうわけか
⑤どうにかしてでも
(ウ)さらになつかしからず
①あまり共感できない
②どうにも思い出せない
③なんとなく親しみがわかない
④ますます興味がわかない
⑤全く心ひかれない
解答・解説
(ア)①
「強ちなり」「(こと)わりなし」と、漢字をあてたり、語源をたどれれば暗記しやすい重要単語が問われていますね。
程度が著しい様を表している選択肢は①か⑤しかありませんし、「ことわり・道理」がない状態を表しているものは①・②・③ですから、スムーズに解答にたどり着けると思います。
(イ)③
「いかに」は「どう、どうように、どうして」など、多くの訳があたる重要語ですが、結局疑問の副詞です。
疑問・反語を示す副詞の文末は、原則連体形に呼応していきますが、ここでは「あれ」とラ変の命令形に結んでいますね。
「も」は強調の係助詞で、訳には特に関わりませんから、③で一撃です。
(ウ)⑤
「なつかし」は「心ひかれる」をベースに多様な訳が可能な単語で、全選択肢の訳でとることが可能です。
「さらに~打消」が「全く~ない」だと分かっていれば、迷うことなく⑤にたどりつけますね。
中学1年生で扱う「竹取物語・蓬莱の玉の枝」で、くらもちの皇子が蓬莱山についたという嘘を語っている際に、「さらに登るべきやうなし」(全く登りようがないほど険しい山々である。)という描写が出てきます。
覚えていましたでしょうか?