高校漢文:「則」を用いた接続

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

本日から、接続表現について扱っていきます。

他の漢字との複合で意味が異なる表現です。

それでは、「則」を用いた接続についてみていきましょう。

「則」を用いた接続

①然則:しからばすなはち:「そうであるならば」

上に書かれた内容が仮定条件になる表現です。

「則」が省略されていても同様の意味になります。

②不則(否則・):しからざればすなはち:「そうでなければ」

不者:しからずんば「そうでなければ」

否則:しからんずんばすなはち:「そうでなければ」

いずれも否定の仮定条件を示します。

③何則:なんとなればすなはち:「なぜかといえば」

上に書かれた内容の原因・理由を導く表現です。

因果関係、問題に絡みそうですね。

確認問題

接続表現に着目して、現代語訳しなさい。

①何則、夫用兵之法、有所謂常、有所謂変。

②不者、若属皆且為所虜。

③然則問可少耶。

ヒント

①なんとなればすなはち、それへいをもちふるのほうは、いはゆるじょうあり、いはゆるへんあり。

②しからずんば、なんぢがぞくみなまさにりょとするところとならんとす。

③しからばすなはちとふところかくべけんや。

解答

①なぜかといえば、そもそも用兵の法には、いわゆる常と、いわゆる変があるのだ。

②そうでなければ、おまえの仲間は皆捕虜にされるだろう。

③そうだとすると、問うことを欠かしてよいだろうか、いや欠かしてはいけない。