高校漢文:「是」を用いた接続
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
本日から、接続表現について扱っていきます。
順接、逆接、因果関係…文章読解の基本になる部分です。
まずは「是」を用いた接続についてみていきましょう。
「是」を用いた接続
①於是:「ここにおいて」→そこで、こうして
②以是:「これをもつて」→これによって、このことから
③是以:「ここをもつて」→こういうわけで
「於」は下に補語を作り、「に・と・より・よりも」という助詞を補うのでした。
よって、「於是」は「ここ”に”おいて」と読んでいますね。
「以」につく目的語「是」には「を」をくっつけて「~”を”もつて」と読むわけです・
次に、「これ」「ここ」についてです。
「以是」のみ「これ」と読むわけですから、「”も”つてこ”れ”を」で「モレ」と覚えておくといいでしょう。
語呂合わせも適宜利用すればよいですよ。
②と③の意味の違いについてですが、前者は前の文の一部の内容を受けるのに対して、後者は前の文脈全体を受けるという違いがあります。
意味の違いまで覚えておくと、どこまで指示内容を確認すればよいかが決まるのでおススメです。
確認問題
接続表現に着目して、現代語訳しなさい。
①於是王乃尽償之。
②今母之力不能使痛。是以泣。
③是以不敢顧也。
ヒント
①ここにおいておうすなはちこれをつぐなふ。
②いまははのちからいたからしむるあたはず。ここをもつてなく。
③ここをもつてあへてかえりみざるなり。
解答
①そこで王はようやくすべてを賠償した。
②今母の力では(私を鞭打っても)痛くさせることができない。こういうわけで(母の老化を嘆き)泣いたのだ。
③こういうわけで決して見ようとしなかったのです。