脳内視力という視点
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
本日は、「脳内視力」についてご紹介いたします。
正直なところ、単語そのものは怪しさ満点なのですが、私の実感を伴った大切なお話なのでぜひご一読ください。
違和感①

太古の昔、私が小学2年生の頃からその違和感は表れ始めました。
本を読むスピードが異常に速いんですね。
周りの子が読むスピードよりも明らかに速い。
周りの子が1冊読み切る時間で、私は4~5冊の本を読んでいたと思います。
話を要約することもできるし、話題を共有することもできる。
けれども、細部を覚えていないことが多かったんです。
落ち着きのない子ども時代でしたから、単に注意力が欠如しているのだと思っていました。
中学の3年間で1000冊を優に超える数の本を読みました(読書カードが鈍器レベルに太くなりました)が、同じ本を読んだ子と話すと、やはり細部まで読めていないのです。
違和感②

塾講師を初めて1年目、大学1年生の頃ですね。
小学生の算数で、概数の範囲を教えることがありました。
概数の範囲ってほんとにめんどうくさくて、問題に出てくる数字の桁がべらぼうに大きいんですよ。
1234567890を10万の位までの概数にしましょう、とか。
1234600000が答えですが、「0」の数が数えられないんですよ。
片目を瞑って思い切り数字に目を近づけて、「0」に印をつけて数えていかないと無理なんです。
周りの先生方はさくさく〇付けをしているのに、私はめちゃくちゃ時間がかかるんですね。
「ごめんよ~」といいながら〇つけをしていたことを覚えています。
振り返ってみると、小学生のころの算数のテストで唯一時間が間に合わなかったのが概数のテストでした。
当時は負けん気が強かったので、悔し泣きしたことを覚えています笑
脳内視力との出会い

とあるきっかけで、脳内視力を調整するメガネを作っておられる松本康先生の講演会に参加する機会がありました。
講演の内容は興味深かったのですが、何しろ「脳内視力」という単語のうさんくささものですから、話半分で聞いていたのが正直なところです。
講演のあと、簡易検査キットを用いた脳内視力の検査会がありました。
やってみてびっくり、脳内視力がずれまくっていることが分かったのです。
簡単に説明しますと、
①赤と緑のシートを手渡される(昔3Dだなんだといっていたときのアレです笑)
②数直線の「0」の部分に点が表示されている機械をのぞき込む
③その点が「0」のところに表示されているかを確認する
④点がずれていたら脳内視力に問題あり
こんな流れだったと思います。
数字が「4」程度のずれであれば、日常生活に問題が起こることは少ないそうなのですが、それを超えると…というお話でした。
結論から言いますと、私は「14」ずれていました。
これは、右目が本の1行目を見ているとき、左目は14行先を見ているということになります。
そりゃ読むの速いですし、細部が読めないわけです。
注意力の問題などではなく、単に身体の問題だったのですね。
簡易検査キット
聞けば、日本人の3人に1人が脳内視力に問題を抱えているというのです。
なかなかな割合ですよね。
けれども、脳内視力を検査した上でメガネを作る技術をもった人は国内に少なく(脳内視力を考えずに作る眼鏡の方が安価でよく売れるというのが原因の1つのようです)、たとえば松本先生のサロンは岡山(岡山駅すぐ近く!ホルモンうどんとパクチーのてんぷらおいしい!)と銀座にしかありません。
検査をしにいくために岡山に…行く価値はあると思うのですが、少し大変です。
ですから、私が体験したような簡易検査ができないかな、と調べているとありました。
松本先生のご著書は数冊あるのですが、そのうちの1冊に簡易検査キットが付録としてついていました。

疲れ・頭痛・肩こりが「脳内視力」で治った!: 日本人の“3人に1人”は、この「見る力」が低下している! (王様文庫)
私は既に脳内視力眼鏡にしていますから、普通の眼鏡をかけているときと、脳内視力眼鏡をかけているときで比較して検査してみました。
はっきりと違いが出ます。
このキットなら信用できる、と確認しましたのでおススメしておきます。
ちなみに、脳内視力眼鏡に変えて2年が経ちますが、効果てきめんです。
タイムマシーン3号さんがネタの中で「メガネは医療器具だから!」とおっしゃっていましたが、それを実感しました。
自分のせいじゃない

文章読解に難を抱えている生徒のどれくらいが脳内視力に問題を抱えているかは分かりません。
けれども、私は簡易検査で「14」という数字が出たときに、救われた気がしたんですね。
あ、自分のせいじゃなかったんだ、と。
注意不足という性質の問題でも、頭がよくないという能力の問題でもなく、単に身体の問題だと理解したとき、本当に心が軽くなったんです。
注意不足という性質の問題でも、頭がよくないという能力の問題でもなく、単に身体の問題だと理解したとき、本当に心が軽くなったんです。
逆に、文章読解に難を抱えていて、なおかつ脳内視力に問題がなかったとしましょう。
むしろ、気合いが入りませんか?
適切な方法で適切な量の学習をすれば、身体が応えてくれることが証明されるわけですからね。
1つの可能性として頭に入れておいていただくだけでいいんです。
保護者の方も、お子さんも救われる可能性がある以上、私は「脳内視力」という観点の学びについては共有し続ける所存です。