高校漢文:接続詞について確認しよう!
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
本日は、読み方が問われたり、文脈の把握に必要な接続詞の知識について確認していきましょう。
接続詞・接続詞的表現
①順接(原因→結果の関係をつくる)の接続詞
・而→「しかうシテ」:そこで
・故→「ゆゑニ」:ゆえに
・因→「よりテ」:よって
・以→「もっテ」:それによって
・是以→「ここヲもっテ」:そういうわけで
・以是→「ここニおいテ」:そこで
②逆接(A↔Bの関係をつくる)の接続詞
・而→「しかルニ」:ところが
・然→「しかルニ」「しかレドモ」:ところが
③その他
・夫→「そレ」:そもそも
・蓋→「けだシ」:思うに
・果→「はたシテ」:やはり
・且→「かツ」:そのうえ
・若・如→「もシ」:もし
確認問題
次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。
①是以不敢受也。
②民果共為君立祠。
③夫用兵之道、攻心為上、攻城為下。
④趙開壁撃之。於是信詳棄鼓旗。
⑤我有戦之大功。而藺相如徒以口舌為労、而位居我上。
ヒント
①ここをもってあえてうけざるなり。
②たみはたしてともにきみのためにほこらをたつ。
③それようへいのみちは、こころをせむるをじょうとなし、しろをせむるをげとなす。
*三国志ファン垂涎の馬謖の名台詞です。中国南部の異民族「南蛮」が蜀国に反乱を起こした際、丞相・諸葛亮孔明(「パリピ孔明」という作品でご存じでしょうか)にこう進言しました。孔明に才能を愛された馬謖でしたが、兵権を実際に託された際にやらかし、処刑されました。蜀国の建国者・劉備玄徳は、死の間際に「あいつ口だけだからあまり信用しないこと」と孔明に言い残していたのですが…。孔明の人を見る目のなさエピソードは枚挙にいとまがありません。
④ちょうへきをひらきてこれをうつ。ここにおいてしんいつはりてこきをすつ。 *「信」:劉邦に仕えた名将・韓信のこと。
⑤われせんのたいこうあり。しかるにりんしょうじょただこうぜつをもってろうをなして、しかうしてくらいわがうえにおり。
*趙の名将・廉頗と藺相如は、「刎頸の交わり」と呼ばれる信頼関係をのちに結びました。
解答
赤:S 青:V 緑:C 黄:O
①そういうわけで私は決して受け取らない。 是以不敢受也。
②民はやはり一緒に君主のために祠を作った。 民果共為君立祠。
③そもそも用兵の道は、心を攻めるのを上策とし、城を攻めるのを下策とする。 夫用兵之道、攻心為上、攻城為下。
④趙国が城壁を開いて攻撃をしてきた。そこで韓信は偽って太鼓や旗を捨てて逃げた。 趙開壁撃之。於是信詳棄鼓旗。
⑤私は戦争で大きな功績がある。しかし藺相如はただ口先だけで働き、それでいて私より上の位にいる。 我有戦之大功。而藺相如徒以口舌為労、而位居我上。