高校漢文:受身形について確認しよう!

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

本日は、問題としての出現頻度が高い、受身形を作る漢字について考えていきましょう。

受身形

受身形は、助動詞を用いるパターン、置き字を前置詞として扱うパターン、特殊パターンの3つに分けて理解しておきましょう。


①S為(被・見・所)AV→「S、AにV(ら)る」:SはAにVされる

助動詞パターンです。

動作主体であるAは省略することができます。

助動詞「る」「らる」は未然形に接続し、アの音ならば「る」を、それ以外の音ならば「らる」を用います。

このあたりは古文文法の知識と関連させて理解していきましょう。


②SV於(于・乎)A→「S、AにV(ら)る」:SはAにVされる

前置詞である於(于・乎)の下の名詞は補語になり、「に・と・より・よりも」と呼んでいきます。

比較形のときにも置き字パターンはありましたね。

この形が必ず受身形になるというわけではないので、文脈で判断するしかありません。


③S為(被・見)A所V→「SはAのVするところとなる」:SはAにVされる

このパターンでは、①と異なり、動作主体であるAは省略されません。

また、このパターンは助動詞として扱われないので、書き下し文では漢字で書きましょう。

確認問題

次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。

①信而見疑、忠而見謗。

②弥子瑕愛於衛君。

③為虎所食。

④為尚書助魏、不忠於晋被収。

⑤為楚相所辱。


ヒント

①しんにしてうたがはれ、ちゅうにしてそしらる。 *「謗」:悪口を言う

②びしかえいくんにあいさる。 *「弥子瑕」:人名

③とらのくふところとなる。

④しょうしょとなりてぎをたすけ、ちゅうならずしてしんにとらえらる。 *「尚書」:宰相職

⑤そしょうのはずかしめるところとなる。

解答

赤:S 青:V 緑:C 黄:O

①正しいことを言っても疑われ、忠実であっても悪口を言われる。 而見而見謗。

②弥子瑕は衛君に愛された。 弥子瑕於衛君。 *「衛君」は動作主体

③虎に食べられる。 為虎所食。 *「虎」は動作主体

④尚書となって魏国を助け、晋国を裏切って捕らえられた。 尚書魏、不忠収。

⑤楚国の大臣に辱められた。 為楚相所辱。 *「楚相」が動作主体