高校漢文:反語形・詠嘆形について確認しよう!

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

本日は、文の法性(話者の感覚・判断)を表す語の中でも、反語形・詠嘆形を作る漢字について考えていきましょう。

反語形・詠嘆形

反語とは、疑問の形をとって否定をし、主張を示す表現です。

つまり、主張を含んでいるかどうかで、疑問形と区別することができます。

また、也・乎・耶・邪・哉を「か」と読めば疑問、「安・悪・寧・焉【いづくにか】」「豈【あに】」を伴う場合や「んや」と読む場合は反語と言うこともできます。

ただし、「や」と読む場合や、訓点やフリガナがない場合は文脈による判断となります。


詠嘆とは、強い感動の気持ちを示す表現です。

詠嘆を作る語としては、文頭に置かれる「嗚呼【ああ】」や、文末に置かれる「也・哉【かな】」があります。

また、中学校で学ぶ論語に出てくる「不亦~乎【また~ずや】」や「豈不~乎【あに~ずや】」も詠嘆形としてよく出題されます。

確認問題

次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。

①若非吾故人乎。

②割鶏焉用牛刀。

③浮生若夢、為歓幾何。

④燕雀安知鴻鵠之志乎。

⑤有朋自遠方来、不亦楽乎。


ヒント

①なんぢはわがこじんにあらずや。

②にわとりをさくにいづくんぞぎゅうとうをもちゐん。

③ふせいはゆめのごとし、かんをなすこといくばくぞ。 *「浮生」:はかない人生

④えんじゃくいづくんぞこうこくのしをしらんや。

⑤ともえんぽうよりきたるあり、またたのしからずや。

解答

赤:S 青:V 緑:C 黄:O

①あなたは私の古い友人ではないか。 吾故人乎。

②鶏をさばくのに牛刀を用いる必要はない。 牛刀。

③はかない人生は夢のようなものだ。喜びはどれほどもない。 浮生若夢、為幾何。

④燕や雀のような小鳥には大きな鳥の志はわからない。 燕雀鴻鵠之志乎。

⑤友がいて遠くから来る。なんと楽しいことではないか。 自遠方来、不亦楽乎。