高校漢文:助動詞について確認しよう!
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
本日は、専門的な言葉も交えながら、助動詞について考えていきましょう。
古文と漢文では、助動詞の捉え方が違うところがあるので、難しく考えすぎずにいきましょう。
助動詞の基本
助動詞とは、述語について意味をくっつけていく活用のある語です。
専門的に言うと、極性・法性・相・態を変える語、となりますが、難しいので放っておきましょう。
書き下し文ではすべて仮名に直しますので、注意してください。
主だったものを以下に列挙しておきますから、出てきたものは読めるようにしておきましょうか。
①不・弗→「ず」:打消
②也→「なり」:断定
*文末に表れるのでそれほど重要ではなく、むしろ係助詞・間投助詞として使われる場合が大事です。
③如・若→「ごとし」:比況
④為→「たり」:断定
*③④は、漢文でbe動詞的に扱うので、Vと扱っておく方が簡単です
⑤見・被・所・為→「る・らる」:受身
⑥使・令・教・遣・俾→「しむ」:使役
⑦可→「べし」:可能/許可
確認問題
次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。
①人生如朝露。
②歳月不待人。
③他山之石、可以攻玉。
④兄弟猶一木有両枝也。
⑤不当従此門入。
ヒント
①じんせいはあさつゆのごとし。 「如」をVと考えましょう。「朝露」は「はかないもの」のたとえです。
②さいげつはひとをまたず。 「不待」をまとめてVと考えましょう。
③たざんのいし、もってぎょくをおさむべし。
④きょうだいはなほいちぼくにりょうしあるがごときなり。 再読文字を忘れないように。
⑤まさにこのもんよりいるべからず。
解答
赤:S 青:V 緑:C 黄:O
①人生は朝露のようにはかない。 人生如朝露。
②歳月は人を待ってはくれない。 歳月不待人。
③ほかの山の(つまらない)石によって宝石を磨くことができる。 他山之石、可以攻玉。
④兄弟はちょうど一つの木に二つの枝があるようなものだ。 兄弟猶【一木有両枝也。】
⑤この門から入ってはいけない。 不当従此門入。