高校漢文:文の成分を確認しよう!

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

今回は、漢文における分の成分について確認し、構文をとる練習をしてみましょう。

文の成分になる語

漢文の語順は、基本的に英語の語順と同じです。

ただし、英語と違って、漢文にはbe動詞が存在しません。

ですから、名詞や形容詞がそのままVになるんですね。

また、CとOの違いは、実質送り仮名の違いだけですから、英語ほど区別が必要ではありません。


①主語(S)→述語の主体になる語。基本的に文頭に置かれますが、省略もされるので要注意。

②述語(V)→主語の動作・状態・性質などを表す語。主語の後に置かれます。

③補語(C)→置き字〈於・于・乎〉を上に伴うことがあり、ニ・ト・ヨリ・ヨリモと送ります。述語の後に置かれます。

④目的語(O)→述語の後に置かれますが、Cがある場合はその後に置かれます。ヲと送ります。

文の成分にならない語

副詞→CでもOでもない修飾語です。どこにでも出てきます。

前置詞→名詞の前について、主に補語を作りますほとんどの場合、置き字になります。

接続詞→文と文との関係を示す語。文頭なら接続詞、文中なら接続助詞の扱いになります。

疑問詞→文に疑問・反語の意味を与えます。文の成分になることもあるのですが、それはまたいずれ。

助詞→語と語の関係を示す語で、意味を加えます。書き下し文ではひらがなに直しましょう。

助動詞→SとVの間に入る語。書き下し文ではひらがなに直しましょう。

確認問題

次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。ただし、OとCの区別は今は考えないでよい。

①花紅。

②孔子聖人。

③王与臣馬。

④宋人有耕田者。

⑤仁者必有勇。


ヒント

①はなあかし。

②こうしはせいじんなり。

③おうしんにうまをあたふ。

④そうひとにたをたがやすものあり。

⑤じんしゃはかならずゆうあり。

解答

赤:S 青:V 緑:C 黄:O

①花が赤い。 / 紅。

②孔子は聖人である。 / 孔子聖人。

③王は臣下に馬を与えた。 / 馬。

④宋国の人で田を耕す者がいた。 / 宋人耕田者

存在を示す「有」は、後ろに主語をとります。なお、「宋人」と「耕田者」は同格の関係にありますね。

⑤慈しみの心を持つ者は必ず勇を持っている。 / 仁者勇。