高校漢文:置き字について確認しよう!
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
今回は、置き字の役割について確認し、構文をとる練習をしてみましょう。
置き字とその役割
置き字は、中学生のときには、書き下し文にした際に「読まない語」と習うことが多いのですが、「意味がない」わけではありません。
意味はあるけれど、日本語にした場合に居場所がなくなる語だととらえておいてください。
①於・于・乎(オ・ウ・コ)→これらの字は、前置詞の役割を果たします。日本語には前置詞が存在しませんから、書き下し文では置き字になるのですね。
*英語とは違い、前置詞がつくとCの扱いになります。(稀にO)
②而(ジ)→文頭にくれば接続詞扱いなので読みますが、文中にくれば接続助詞扱いなので置き字になります。
*文中でも読むことがあるのですが、気にしてもよいことはありませんからスルーしましょう。
③矣・焉・兮(イ・エン・ケイ)→文末で断定・強調を示す語。書き下し文ではなくてもよいので読まれませんから、置き字になります。
確認問題
次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。
①良薬苦於口。
②学而時習之。
③季康子問政於孔子。
④我三人行、必得我師焉。
⑤吾十五而志于学。
ヒント
①りょうやくはくちににがし。
②まなびてときにこれをならふ。
③きこうしまつりごとをこうしにとふ。
④われさんにんおこなへば、かならずらがしをう。
⑤われじゅうごにしてがくにこころざす。
解答
赤:S 青:V 緑:C 黄:O 桃:前置詞・接続詞
①良い薬は口に苦く感じるものである。 / 良薬苦於口。
②学んで時に応じてこれを復習する。 / 学而時習之。
③季康子は孔子に政治を尋ねた。 / 季康子問政於孔子。
④私は三人で行動すればその中に必ず私の師となる人を見つける。 / 我三人行、必得我師焉。
⑤私は十五歳で学問を志した。 / 吾十五而志于学。