高校漢文:構文を意識してみよう!
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
今回から、「構文」を意識して漢文を理解していく訓練を積んでもらおうと思います。
それでは、漢文とはそもそも何なのかということから話を進めていきましょう。
漢文とは何か
そもそも漢文とは、昔の中国で作られた書き言葉専用の中国語です。
早い話が外国語なので、日本語とは品詞と語順が違います。
細かい話を無視しておおざっぱに言うと、漢文の語順は「英語とほぼ同じ」です。
一部例外はありますが、S→V→O・Cの語順が基本です。
漢文の主な文型は、以下の6つです。
①SV ②SV(於・于・乎)C ③SVO ④SVO(於・于・乎)C ⑤SV(於・于・乎)C ⑥SVCC
*於・于・乎は置き字で、下のCに〈二・ト・ヨリ・ヨリモ〉という語を導きます。
これに修飾語が加わったり、複文や重文の構造を伴ったりしていくわけですね。
まずは、習うより慣れろ、ということで、さっそく問題にとりかかってみましょう。
確認問題
次の文の構文をとり、現代語訳をしなさい。ただし、OとCの区別は今は考えないでよい。
①読漢文。
②医扁鵲見秦武王。 *扁鵲:古代中国の名医
③転禍為福。
④群臣論止盗。
⑤聞沛公已破咸陽。 *沛公:漢王朝創始者の劉邦 *咸陽:地名
ヒント
①かんぶんをよむ。
②いへんじゃくしんのぶおうにまみゆ。
③わざわいをてんじてふくとなす。
④ぐんしんとうをとむるをろんず
⑤はいこうすでにかんようをやぶるをきく
解答
赤:S 青:V 緑:C 黄:O
①漢文を読む。/読漢文。
②医師の扁鵲は秦の武王に会った。/医扁鵲見秦武王。
③災難が一転して幸福となる。/転禍為福。
④大勢の臣下が盗賊を止める方法を話し合った。/群臣論止盗。(止盗はVOととってもよい。)
⑤沛公がすでに咸陽を破ったと聞いた。/聞沛公已破咸陽。(沛公已破咸陽は、SMVOととってもよい)