高校古文:助動詞「き」「けり」の練習問題
広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
引き続き、古文文法の鬼門、助動詞の識別についての記事を配信いたします。
本日は、連用形接続の助動詞「き」「けり」の練習問題を扱います。
練習問題
1、文中の空欄には、過去の助動詞「き」が入る。活用させて記せ。(北海道大)
このおとど、これ大入道殿の御三郎、粟田殿とこそはきこえさすめり【 1 】。長徳年乙未五月二日、関白の宣旨かうぶらせたまひて、おなじ月の八日、亡せさせたまひに【 2 】。大臣の位にて五年、関白と申して七日ぞおはしまし【 3 】かし。
2、歌中の空欄に入る語を選べ。(青山学院大)
恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめ【 】
ア:けり イ:ける ウ:けむ エ:しか オ:なむ
3、傍線部と同じ品詞の語をあとから選べ。(早稲田大)
濁る瀬は しばしばかりぞ みずしあらば 澄みなむとこそ 頼み渡らめ
イ:一門の運命はや尽きはて候ふ。
ロ:行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
ハ:今は昔、竹取の翁といふものありけり。
二:水をだに咽へ入れ給はず。
ホ:あなう。そらごとと思しめすか。
解答・解説
1、しか/き/し
A→「こそ」を見つけて係り結び。已然形に活用させます。
B→文末にあり、係助詞も疑問・反語の副詞も存在しないので、終止形です。
C→「ぞ」を見つけて係り結び。連体形に活用させます。
2、エ
「こそ」を見つけて係り結び。已然形になっている選択肢を探せば一撃です。
3、二
和歌中にあり、訳に関わらない「し」は副助詞です。
係助詞「も」を伴って、「しも」の形で現れることも多いので知っておきましょう。
イ→副詞
ロ→接続詞
ハ→助動詞
二→副助詞
ホ→「憂し」という形容詞の語幹です。