高校古文:助動詞「まほし」の識別・確認問題

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

引き続き、古文文法の鬼門、助動詞の識別についての記事を配信いたします。

本日は、未然形接続の助動詞「まほし」について扱います。

「まほし」の接続と識別

〇接続:未然形接続

助動詞「まほし」は、「未然形接続の助動詞」です。


〇活用(「まほし」→シクパターン)

まほしく|まほしく|まほし|まほしき|まほしけれ|〇

まほしから|まほしかり|〇|まほしかる|〇|〇

*上段を「本活用」と言い、下段を「補助活用」といいます。一部例外はありますが、下段は下に助動詞を伴う場合に使う活用です。


意味:願望〈~たい〉

*連用形接続の助動詞「たし」と同じ意味と捉える

確認問題

1、傍線部の文法的説明を選べ。(東洋大)

いみじくさしいらへもせまほしきこと多かれど、

1:受身の助動詞  2:打消の助動詞  3:過去の助動詞  4:願望の助動詞  5:完了の助動詞  6:推量の助動詞  7:自発の助動詞  8:尊敬の助動詞  9:尊敬の助動詞  10:断定の助動詞


2、傍線部「まほしく」と同じ意味を表す語を選べ。(明治大)

さやかに見給ひし昼寝の夢も、ゆくへ知らまほしく

1:たし  2:べし  3:まじ  4:らし  5:ごとし

解答・解説

1、4

2、1

どちらも暗記で一撃だったので、解説という解説になりませんね。

裏をかえせば、そういった内容が入試で狙われることは稀ということです。

しかしながら、東洋大や明治大といった名のある大学は、「これ、忘れてないよね?」と思い出したように聞いてきますから、油断せず覚えておきましょうね。