様々なスピードについて
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
春期講習のご案内をいつしようか、いつしようかと考えている内に、気づけば満席をいただきました。
兵は神速を貴ぶと申しますが、私にはスピードが足りていないわけです。(すみません、宣伝をするつもりがなかっただけです)
遠方からご足労いただく場合が多く、驚いたことに岩国から受講をお受けすることにもなりました。
現古館のような小規模な個人塾をネットの海から見出し、お引き立ていただいている保護者様方には頭が上がりません。
いつもありがとうございます。
さて、本日は国語における「スピード」についてお伝えいたします。
読むスピード・解くスピード
「うちの子は読むのが遅くて」
「時間が足らないんです」
面談をさせていただくと、こんなご相談をよく受けます。
私がこういったご相談を受けて考えることは以下の2つのことです。
「読むのが遅い原因はなんだろう」
「時間が足らない原因はなんだろう」
読むのが遅いと一口に申しましても、そこには様々な原因があります。
①分からない単語が多すぎてスムーズに読めない
②活字を読む習慣が薄すぎて目で文字を追うスピードが遅い
③似た内容が書いてあったら前に戻って読んでおり、本文を往復しながら読んでいるため時間がかかる
さて、お子様はどの段階にいるでしょうか?
①の場合は、語彙力の欠如が問題です。
分からない単語をお子様に質問してみていただければ、すぐ分かります。
ただし、必ず「じゃあこの単語の意味は?」といくつか発問する必要はあります。
分からない単語が「ない」と答えているとき、「分からない単語が分からない」という段階にいたり、「なんとなく分かった気になっている単語はカウントしていない」という場合があるからです。
②の場合は、習慣の欠如が問題です。
学習は基本的に活字を通して行いますが、まとまった文章を読む機会が学校の国語の時間だけでは、やはり足りません。
慣れていないから遅い、あまりにも自明なことです。
③の場合は全く問題がありません。
一読して文章のすべてを分かったつもりになることほど危険なことはありませんし、内容の関連付けができているから本文を往復できるわけですから、むしろ望ましいことです。
時間が足らない原因にもいろいろありますよね。
先に書いているように「読むのが遅い」こともあれば、「解くのが遅い」ということも考えられます。
「解くのが遅い」のは、解答の方針をもっていないからなのか、自分の解答を推敲しすぎているのか。
ここでも原因は枝分かれします。
中学受験の世界で考えると、「問題がすべて解ききることを想定した分量ではない」ということだって考えられます。
単に「スピード」といっても、抱えている問題はお子様によって違いますし、問題を抱えていない場合もあります。
その見極めをするのが指導者の役割でしょう。
書くスピード
私が「スピード」についてうるさく言うとすれば、「書くスピード」くらいでしょうか。
字が汚い、ということはさしたる問題ではありません。
自分が判読でき、なおかつ試験の際に誤読されないレベルであれば、OKです。
ただし、書くスピードが遅いことについては、すぐに指摘します。
「考えていました」と言う子も中にはいますが、思考の過程は文字におこせ、と私は返します。
数学の計算で途中式を残すように、国語の解を作る(選ぶ)際にも、自分の思考は書き残しておかなくてはいけません。
特に記述解答を作ろうとしているときに、0から完璧な文を書けるのであれば、私の指導は必要ありません。
なんの要素を解答に組み込むのか、どういった型にあてはめて書くのか。
必ず思考の過程を問題用紙に残しておかなくてはいけません。
そしてそれを試験中に行うためには、書くスピードの速さは必須条件なのですね。
「スピード」をテーマにあれこれと書いてきましたが、お子様はどの段階にいらっしゃるでしょうか?