令和4年(2022年)度:広島県公立高校入試国語解答速報【大問2】
広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。
この記事では、令和4年(2022年)度:広島県公立高校入試国語・大問2の解説を致します。
よろしくお付き合いください。
それでは、始めます。
問1:漢字の書き
ア:典型
イ:存在
ウ:喜
問2:接続詞問題
ウ すなわち
接続詞問題は、前後の文の関係性をつかみ、入るべき役割を想定した上で選択肢を確認しましょう。
「上にあった花と茎が切り取られると、今度は、側芽の中で一番上にあったものが、一番先端の芽となります。」
「( )、頂芽となるのです。」
上のような構造になっていますから、前に書いている内容を後ろでまとめたり、言い換えたりする働きのある接続詞が空所に入ることが分かりますね。
よって、ウの「すなわち」が空所に入ります。
問3:言い換え問題
問:「表舞台に出る機会」とあるが、これは具体的にどのような機会ですか。三十字以内で書きなさい。
模範解答例:側芽が頂芽となって成長し、花を咲かせることができる機会。
これは極めて素晴らしい良問でした。
「表舞台に出る」という比喩的表現が何を指しているかを「具体的に」説明しなさい、という問題なのですが、解答根拠が明快かつ鮮やかです。
波線部を一文に戻すと、「控えていた芽は」という主語が見つかりますね。
つまり、「控えていた芽」=「側芽」が「表舞台に出る」のです。
本文の中で、花を切り取られることで「側芽」が「頂芽」になるということが書かれていますから、それを示せばよいわけです。
ただ、「側芽が頂芽になるという機会」だけだと指定字数を満たせませんから、本来咲かせることのなかった花を咲かせることができるようになる、という要素を加えて字数調整を行います。
「頂芽という主役に成りあがって花を咲かせる」ことを「表舞台」と呼んでいるわけですね。
以上のことから、模範解答例が理想的な解答となります。
文末は「機会」でしめておきましょうね。
問4:空所補充問題
(1)いのちを復活させる力がある
(2)①花の生命をいつくしむという心で花材をいけて鑑賞することは、/②その生命の有り様を見つめることであり、/③このことが何よりも花を生かすことにつながっている
(1)についてですが、こちらも良問です。
空所の前後を整理してみます。
①花を切り取ったあとに感じる心苦しさは
②( Ⅰ )ということを知ることで
③軽くなる
傍線①の直前の段落の冒頭に、「このことを知ると、~心苦しさは、軽くなります」という描写がありますから、指示語が指す内容を確認します。
すると、「花が摘みとられても、切り花として切り取られても~花が咲くのです」というポイントがつかめますが、ここでは指定字数内におさまりそうにありません。
よって、「花は切られても復活すんだぞ!」という内容を、指定字数内で言い換えている表現を探すわけです。
すると、二段落目に「いのちを復活させる力が隠されている」という描写が見つかりますので、ここを採用します。
一見探すだけの問題にも見えますが、文章の展開の仕方をおさえている人は、探す時間は省けたはずです。
解く時間に実力差が出るという意味でも、良問だったと言えますね。
(2)は指定字数こそ多いものの、資料内から「いけばなで花を切り取ることは価値ある使い方だと言える理由」を探すだけです。
「そこに根拠がある」という描写に含まれる指示語から、解答根拠が直前にあることをつかみ、「~から~同時に~でもあります」という理由を示す部分を整理してあげれば、模範解答例のような解答ができあがります。
いかがだったでしょうか。
それでは、令和4年(2022年)度広島県公立高校入試国語解答速報:大問3でお会いしましょう。