令和4年(2022年)度:広島県公立高校入試国語解答速報【全体概観】

広島国語屋本舗現古館 館長の小林です。

今回、お世話になっている塾長先生方からのご厚意で、ケーブルテレビの解答速報でお話させていただきました。

なにぶん初めての経験で拙いところが多かったと存じますが、皆さまの支えで何とか無事終えることができました。

この場を借りて、お礼申し上げます。

スーツに締め付けられるボンレスハムの図

さて、これから数記事に渡って、令和4年(2022年)度広島県公立高校入試国語の解答・解説をしていこうと思います。

明日も2科目の入試を控えている受験生がもし見ている場合は、そっとブラウザバック&ゴートゥーデスクでお願いいたします。

それでは、まずは簡単な全体概観からです。

全体概観

目立った出題傾向の変化はないが、全体的に記述量が増加し、本文・資料文の字数が減少する傾向が見られた。

大問1(考えようによっては難化)

6年続いてきた文豪の作品の出題が途切れ、若手作家の青春小説の出題に変化した。

本文の一部を演じる台本が資料として提示されており、形式としては目新しいが、与えられた情報がヒントとなっているという点では特に大きな変化はない。

問3は解答根拠に乏しい悪問、問4(2)は誘導の薄い難問と言える。


大問2(例年並み)

全体の記述字数の増加を考慮してのことか、本文と資料分の字数は減少した。

問3は比喩的な表現の指す内容を具体化する良問、問4(I)は指示語をヒントとして、記述字数内におさまる同内容を探す良問である。

問4(II)は因果関係をつかんで資料から根拠を抜き出すだけの問題だが、記述字数の多さで焦ってしまった受験生は多いだろう。

大問3(例年並みと見れなくもない)

漢文のみの出題。

本文は3行で、問われる内容も決して難しくはないが、誘導に乏しく、解答の幅が広い悪問である。

「古典の内容を実生活に生かす」という考えは見て取れるが、どういっても作題が荒い。

漢文の趣旨を説明する記述問題を提示した上で、それを踏まえて「陸上を続けることを勧めるアドバイス文」を書く必要性は見当たらないし、学力検査としての選抜Ⅱ試験に出題する問題としては不適当。

大問4(難化)

ここ数年で一番の良問である。

問題文中に「班員の間で合意を形成するために」という誘導があるが、この意図を汲むことができるかどうかが最大のポイント。

問われたことに答える、という原則を意識した美しい出題。

配点が10点→12点へと増加した理由がよく分かる。


解答根拠が乏しい悪問も散見されたが、記述解答に広く部分点が与えられそうで、平均点としては昨年と同程度(21.5点)でもちこたえると考えられる。


では、次の記事から、さっそく解答・解説にとりかかります。

令和4年(2022年)度広島県公立高校入試国語解答速報:大問1 でお会いしましょう。