高校古文:枕詞の確認問題③

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

今回まで、枕詞の確認問題を配信いたします。

確認問題

1、a~dの和歌の中から枕詞を一つ抜き出せ。(明治大学)

a:恋しくは とぶらひ来ませ ちはやふる 三輪の山もと 杉たてるかど

b:住吉の きしもせざらむ ものゆゑに ねたくや人に まつといはれむ

c:三輪の山 いかにまちみむ 年ふとも たづぬる人も あらじと思へば

d:我がやどの 松はしるしも なかりけり 杉むらならば たづねきなまし


2、「  」部について、「枕詞」を含まない歌として最も適切なものを次の中から選べ。(近畿大学)

1:夜も寝ず 安くもあらず 白たへの 衣も脱かじ 直に逢ふまでに

2:思へども 思ひもかねつ あしひきの 山鳥の尾の 長きこの夜を

3:人もなき 空しき家は 草枕 旅にまさりて 苦しかりけり

4:岩が根の こごしき山を 越えかねて 音には泣くとも 色に出でめやも


3、「   」部「七条院」は後鳥羽法皇の母君であるが、そのことを示す語を問題文中から抜き出せ。(青山学院大学)

「七条院」より参れる御文、・・・ややためらひて見たまふに、「あさましく、かくて月日経にけること。今日明日とも知らぬ命の中に、いま一度、いかで見たてまつりてしかな。かくながらは、死出の山路も越えやるべうも侍らでなん」など、いと多く乱れ書きたまへるを、御顔におし当てて、

たらちねの 消えやらで待つ 待つ露の 身を風よりさきに いかでとはまし
八百よろづ 神もあはれめ たらちねの 我待ち見んと 絶えぬ玉の緒


4、前後の文脈や、用いられている修辞技巧から考えて、問題文の空欄に入る最も適当な語を、次のイ~ホの中から選び、答えよ。(早稲田大学)

呉竹の(   )の常にならひて見む人は、賤が垣根にさらす布を、心ひとつに花とあやまり、難波江に生ふる蘆をも、我が目にはよしと見るになむなりぬべし。

イ:こころ(心)

ロ:ことわり(理)

ハ:すぢ(筋)

ニ:とき(時)

ホ:よ(世)


5、〈   〉部の和歌について、次の問いに答えなさい。

この和歌には、和歌独特の表現技巧が二つ用いられています。その部分を抜き出して、各々簡潔に説明しなさい。(信州大学)

近くだにえ寄らで、四尺の屏風に寄りかかりて立てりていひける、「世の中の、かく思ひのほかにあること。世界にものしたまふとも、忘れで消息したまへ。おのれもさなむ思ふ」といひけり。この女、つつみに物などつつみて、車とりにやりて待つほどなり。いとあはれに思ひけり。さて女いにけり。とばかりありておこせたりける。

〈忘らるな 忘れやしぬる 春がすみ 今朝立ちながら 契りつること〉

確認問題

1、ちはやふる

用いられている修辞が「枕詞」だと確定しているので、初句と第三句のみ確認していきましょう。


2、4

こちらも問1と同じ発想で、枕詞でないものを探せばよいだけですね。


3、たらちねの

問1、問2と同様の発想で問題ありませんね。


4、ホ

「呉竹の」が「世」を導く枕詞で、よく模試でも出題されるので覚えておきましょう。

「筋(よ)」と「世」が掛詞にもなっている点にも気づければ、今までの知識が生かされていますよ。

〈呉竹の節ではないが世の平凡な歌を見慣れている人は、身分の卑しいものが垣根にさらす布を、ひとりよがりに(美しい)花と見誤ったり、難波江に生えている蘆(のように悪しき歌)も、自分の目にはひいき目で葭(のように良い歌)と見ることになってしまうに違いない。〉


5、「春がすみ」は「立ち」を導く枕詞/「立ち」は「(屏風のもとに)立つ」と「(出発する際の)発つ」との掛詞

「春がすみ」が「立ち」を導く枕詞だというところは暗記で処理ができますが、掛詞がちょっと難しいかもしれません。

奥の細道の「春立てる霞の空に~」あたりを思い出すと、「発つ」まで発想が及ぶかもしれませんが、これは覚えてしまっていた方が無難でしょう。

〈(男はその女の)近くにさえ寄ることができないで、四尺の高さの屏風に寄りかかって立ったままで女に言ったことは、「あなたとの仲が、このように思いがけないことになるとは。あなたがこれからよその土地にいらっしゃったとしても、私のことを忘れないで便りをください。私もそのようにしようと思います」と言った。この女は、包みに色々なものを包んで、車を呼びに人を行かせて、車が来るのを待つところなのである。男は女をとてもしみじみとかわいそうだと思った。こうして女は出て行った。しばらくして女は歌を詠んでよこしてきた。  私をお忘れにならないでください、私は忘れてしまうだろうか、いや忘れはしません。今朝私が発つときにあなたが立ったままで約束したことを。〉

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