高校古文:枕詞の確認問題②
広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
前回に引き続き、枕詞の確認問題をやっていきましょう。
確認問題
1、( Ⅰ ) ~ ( Ⅲ )には、それぞれ枕詞が入る。最も適当なものを次の中から選べ。(九州大学)
( Ⅰ )光のどかに・・・
( Ⅱ )道行き人も、落ちたるを拾はず、( Ⅲ )夜も、戸ざしせぬ世なりけり。
a ちはやぶる
b うばたまの
c ひさかたの
d たまぼこの
e くさまくら
2、文中で用いられている枕ことばを一つ抜き出せ。(明治学院大学)
伏姫は湧きかへる、涙をしばしば押拭ひ、旧の身にしてあるならば、親のみづから迎へ給ふ、仰せ背き侍らんや。かくまで過世あし引きの、山の獣に異ならで、火砲に打たれて身を終りなば、人なみなみに外れたる、罪滅しに侍らんに、それもかなはずはずかしき、この形容を親に見せ、人に見られて阿容々々と、いずれの里へかへらるべき。
3、a~eのうち、枕詞を一つ選べ。(関西学院大学)
a:「あら玉の」月日はやく
b:「信ある」武士なれば
c:「軒守る」犬の吠ゆる
d:「浦浪の」音ぞ
e:「おぼろなる」黒影
4、「」部に用いられている修辞法について説明しなさい。(佐賀大学)
「あらたまの」年も過ぎて、
5、「」部の和歌について、次のイ~ホから枕詞を一つ選べ。(関西学院大学)
須佐之男命の「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣つくるその八重垣を」とのたまひしも、
イ:八雲立つ
ロ:出雲
ハ:八重垣
ニ:妻ごみに
ホ:八重垣つくる
6、「そらみつやまと」の「そらみつ」と置き換えられる言葉を次の中から二つ選べ。(上智大学)
a:やくもたつ
b:しきしまの
c:あきづしま
d:さばへなす
e:おほやしま
7、次の空欄に後から適当な語を選んで入れよ。(青山学院大学)
( )神の心を荒るる海に鏡を入れてかつ見つるかな
1、敷島の
2、久方の
3、ちはやぶる
4、あしひきの
5、天の原
8、〈 〉部について。(立教大学)
(甲)「てふ」の語の意味を五字以内で記せ。
(乙)「玉ぼこの」の修辞上の用法を何というか。感じで記せ。
(丙)(乙)と同じ用法の語を、本文中から一つ抜き出して記せ。
ある女房、・・・男憎みして、・・・むば玉の夜にまぎれて出でけるが、ゆくべきかたに人音しければ、「〈露にぬるてふ玉ぼこの〉、みちゆく人にやあらん。待ちつつも通さばや」と思ひ、
解答・解説
1、Ⅰ:c Ⅱ:d Ⅲ:b
代表的な枕詞が並んでいます。
ここがすんなりできないようであれば、暗記作業を優先すべきでしょう。
2、あし引きの
直後の「山」を導いていますね。
3、a
見たことがある枕詞を選んでも、正答にたどり着けるのではないでしょうか。
4、「あらたまの」は「年」を導く枕詞
3に引き続き「あらたまの」です。
大人気ですね。
5、イ
枕詞は初句・第三句のみに表れるので、最初からイか二の二択問題です。
6、b・c
「大和」を導く枕詞を問うている問題ですが、少なくともbは選びたいところです。
「敷島の」は「出雲」を導く枕詞ですから、ここは違うと判断し、残りのcdeからランダムに選ぶことになると思います。
「あきつしま」は「大和」を導く枕詞として紹介こそしていますが、覚える必要がある受験生は少ないはずです。
「さばへなす」は「はえのように」と訳す言葉、「おおやしま」(大州島)は日本国の別称ですが、聞いたことがある!程度の知識で十分です。
7、3
こちらは知識で一撃だったと思います。
枕詞がかかわる問題の難度は、ほとんどがこのレベルなので安心してください。
8、(甲)という (乙)枕詞 (丙)むば玉の
甲の問題が少し変わり種でしたが、他は知識で片が付く問題ですね。