高校古文:覚えておきたい枕詞

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

今回は、覚えておきたい枕詞を配信いたします。

特に赤字のものは頻出なので、最低限その単語を見たときに枕詞だと分かるようにしておきましょう。

覚えておきたい枕詞

【自然にかかわる枕詞】

・あかねさす(茜さす)ー日、昼、紫、照る

・あさしもの(朝霜の)ー消(け)

・あさつゆの(朝露の)ー消、消ゆ、置く

・あしひきの(足引きの)ー山、峰、木の間、岩

・あらたまの(新玉の)ー年、月、日、春

・あらがねの(粗金の)ー土

・いさなとり(鯨取り)ー海、浜

・いそのかみ(石上)ー降る、古る、振る

・いはばしる(石走る)ー近江、垂水、滝

・おくつゆの(置く露の)ー消ゆ

・かぎろひの(陽炎の)ー春、燃ゆ、ほのか

・しののめの(東雲の)ー明く

・たまかぎる(玉かぎる)ー夕、ほのか

・たまもかる(玉藻刈る)ー沖、舟、敏馬(みねめ:地名)

・つゆじもの(露霜の)ー消、置く、過ぐ

・ぬばたまの(射干玉の)ー黒、月、夜、闇、夢、暗し

・ひさかたの(久方の)ー光、天(あめ・あま)、空、雨、月、雲

・ふゆくさの(冬草の)ー枯る、離る

・ふゆごもり(冬籠り)ー春、張る

【地名にかかわる枕詞】

・あきつしま(秋津島)ー大和

・あさぢふの(浅茅生の)ー小野

・あまざかる(天離る)ー鄙(ひな:田舎や遠く離れた場所)、日、向かふ

・あをによし(青丹よし)ー奈良

・うちひさすー宮、都

・さざなみの(小波の)ー志賀、近江、大津

・しきしまの(敷島の)ー大和

・しらぬひ(不知火)ー筑紫

・そらみつ(空満つ)ー大和

・たまだすき(玉襷)ー畝傍(=畝火、うねび)、采(うね)、懸く(掛く)

・たまほこの(玉鉾の)ー道、里

・つのくにの(津の国の)ー難波

・とぶとりの(飛ぶ鳥の)ー飛鳥、早し(速し)

・とりがなく(鳥が鳴く)ー東、吾嬬(あずま)

・なつくさの(夏草の)ー野鳥、野、深く、しなえ、かりそめ

・はるかすみ(春霞)ー春日、立ち

・ももしきの(百敷の)ー大宮(宮中)、宮

・やくもたつ(八雲立つ)ー出雲

・ゆふづくよ(夕月夜)ー小倉山

【衣類にかかわる枕詞】

・あをやぎの(青柳の)ー糸、葛城

・からごろも(唐衣)ー着る、裁つ、裾、紐

・しきたへの(敷き妙の)ー枕、衣、袖、袂、床

・しろたへの(白妙の)ー衣、袖、袂、雪

・たまのをの(玉の緒の)ー長き、短き、絶え、乱れ、継ぐ

【人間にかかわる枕詞】

・うつせみの(空蝉の)ー世、命、人、身

・くさまくら(草枕)ー旅、結ぶ、夕(ゆうべ)、露、仮寝

・くれたけの(呉竹の)ー世、夜、代、節(ふし・よ)

・たまきはる(魂極る)ー命、世、宇智(うち:地名)

・たらちねの(垂乳根の)ー母、親

・ははそばの(柞葉の)ー母

・むらぎもの(村肝の)ー心

・もののふの(武士の)ー八十(やそ)、氏、宇治、五十(いそ)

・やすみしし(安見知し)ー(わが)大君

・わかくさの(若草の)ー夫(つま)、妻、若し、新(にひ)

《その他の枕詞》

・あきのよの(秋の夜の)ー長し

・あづさゆみ(梓弓)ー引く、張る、春、射る

・おきつもの(沖つ藻の)ー靡く(なびく)、名張(なばり=隠る〈なばる〉:隠れる)

・くずのはの(葛の葉の)ー恨み、心(うら)、裏

・ささがにの(細蟹の)ー蜘蛛、雲、糸

・たまづさの(玉梓の)ー使ひ、妹(いも)

・たまかづら(玉鬘)ー懸け(掛け)、かげ、おもかげ

・たまかづら(玉葛)ー長し、絶ゆ、延ふ(はふ)

・たまくしげ(玉櫛笥)ー開く、明く、蓋

・ちはやぶる(千早振る)ー神、社、宇治

・つがのきの(樛の木の)ーつぎつぎ

・はつかりの(初雁の)ーはつか(はつかに)

・むらさきの(紫の)ー匂ひ、雲、藤

・をしどりの(鴛鴦の)ー惜し