選択肢問題で重要な視点

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
最近、成績を上げるために必要な土台のお話をすることが多いと思います。
私はそれを抜きに指導をするつもりはありませんが、もちろんその土台が身についた状態で伸び悩んでいる人もたくさんいます。
本文の理解をある程度適切に行えているにも関わらず、得点がそれに伴わない。
その原因は、ずばり問題の理解の薄さにあります。
選択肢問題でのNG解法
今回は、選択肢問題に絞ってお話を進めます。
まず最初に、選択肢問題を解く上でのNG解法をお伝えしておきましょう。
1,問題文を分析していない
2,想定解を作らず、いきなり選択肢を読んでいる
3,選ばなかった選択肢を、選ばなかった根拠を可視化していない。
いずれか一つでも当てはまるなら、それが成長を阻害している要因かもしれません。
1についてですが、これはどの形式の問題を解く場合でも、やってはいけない解き方です。
問題を解くにあたっての大前提は、「聞かれたことに答える」です。
聞かれた内容を分析せずに答えられるはずがないですよね。
2については、国語につまづいている人のほとんどが当てはまると思います。
選択肢には、本文の表現がそのまま利用されるわけではありませんし、利用されたとしても、それは罠として利用しているのです。
本文そのままの表現を選択肢に見つけると、本文が読めていない、問題文を分析していない人が選んでくれるからですね。
まず聞かれた内容について、本文を根拠にしながら、自分の頭で記述解答を作ってみるのです。
それと同じ意味を示す選択肢を選ぶ、という姿勢でないと、必ず仕掛けられた罠にひっかかります。
よく国語につまづいている人は、「選択肢を2つまで絞れた」と言います。
しかし、「選択肢を2つまで絞れた」のではなく、「選択肢をあと1つ選びきる根拠を持っていなかった」が正しいのです。
これは3にも関連するのですが、想定解を作らずに選択肢にあたっている人は、自分が何を基準に選択肢を選んでいるか理解していません。
なんとなく、書いてある気がするから〇。
なんとなく、書いてない気がするから×。
根拠がないのですね。
自分の根拠を選択肢に線を引くなどして残していれば、選ばなかった選択肢は、自分の理解が間違っていない限り、必ず誤答なのです。
根拠の可視化さえしておけば、あとから選択肢を見返して「あれ、実はこっちかも」などと迷うこともありません。
最も適切な選択肢を選べ
選択肢問題には、必ず以下の一文が付されます。
〈最も適切な選択肢を選べ〉
つまり、最も適切な選択肢以外を選ぶな、と言っているわけです。
「選ぶ」と「選ばない」は、コインの裏表。
正答を「選ぶ」ためには、誤答を「選ばない」必要があります。
そのためには、本文を適切に理解し、問題文を分析し、想定解を作ったうえで、他の選択肢を選ばなかった理由を言えることが重要です。
そこまでできた上で、なお間違っているのであれば、本文の読解か想定解の作り方に問題があるわけなので、対処すべきポイントは絞れてきますよね。
言葉遊びのようにも見えますが、たかだかそれだけのアドバイスで、飛躍的に点数が伸びた生徒を私は何人も知っています。
ぜひ、参考にしてみてください。