結果が出るまでの期間
広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
先日、成績を爆上げしています、というご報告をしました。
しかし、結果が出るまでの期間は、個人間で大きな差があります。
スタートラインが同じくらいの成績であっても、成績が上昇し始める時期が全く異なっている、なんてことは日常茶飯事なんですね。
では、その時期の差異は、どのようにして生まれるのでしょうか。
現時点での、私の考えをお伝えいたします。
一文を正しく読み書きできるか
まず、正しく一文が読み書きできている状態であれば、成績が上がるまでの期間が短く済むでしょう。
とはいえ、この段階でほとんどの人は躓いているかもしれません。
先日公開した、【読解力判定テスト】の平均点は、20点満点中〈3.71点〉。
回答者の半数は偏差値58~68の高校に所属する高校生です。
平均点を落とすための設問作りのテクニックを使っているとはいえ、低すぎる結果になっています。
問題はすべて小学生用のテキストから作成しているのですが、それでもこの結果になるのです。
主語、目的語、述語を意識して文を読めているかどうか。
係り受けを意識して文を書けているかどうか。
助詞の意味を踏まえて一文をとらえているかどうか。
一文が読み書きできない状態で、長文の読解や字数の多い記述問題ができるはずがないのです。
一文が読めるからこそ、段落の意味がつかめるようになり、段落相互の関係性がつかめるようになり、文章の意味が理解できるようになっていくのです。
短い一文が書けるからこそ、書こうとする文が複雑になっても、正しく意味を伝えることができるのです。
まずは、一文が読み書きできるかどうか。
ここがクリアできているかどうかで、成績の上昇率は大きく変わってきます。
私がいくら立派な武器を手渡したところで、それを振り回すだけの知的腕力が備わっていなければ、それはただのなまくらです。
言い換える言葉を持っているか
次に、言い換える言葉を持っているかどうか、が分かれ目になってきます。
入試で解くことになる問題のほとんどは、本文の表現をそのままコピー&ペーストしても、十分な解答にならないように設計されています。
もちろん、実力を上げていく過程の中で、本文から解答に近い表現を見つけるという訓練は重要です。
しかし、それだけでは十分ではないのですね。
内容が理解出来たら、それを言い換えなくてはならないのです。
そのためには、やはり語彙の多さは大切だと言えます。
特に、記述問題では、本文の言葉をそのまま抜き出していると、制限字数内に収まらないということがしばしば起こります。
言い換えられなければ…、どうなるかは容易に想像ができるでしょう。
そもそも、概念が形成されているか
ここまで、言葉の扱いに注目してお話してきました。
けれども、その前段階。
ここをクリアしていないと、学習の結果が出てくるまで相当苦労するだろう、という段階があります。
それは、概念が形成されているかどうか、です。
これについては長くなりますから、またの機会に回すことにしますね。