本文の表現とその言い換え

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

公立小・中学校の国語の問題のほとんどは、本文の表現を引っ張ってくることで解答になってくれます。

それは、たとえば抜き出し問題であり、ヒントがちりばめられた穴埋め問題であったりします。

もちろん、求められている内容を本文から引っ張り出すという「情報検索能力」も重要なのですが、それだけだと早い段階でつまづいてしまうのですね。

というのも、選択肢は「本文の言い換え」ですし、記述問題で求められるのは本文の内容を「分かりやすく言い換える」ことですし、穴埋め問題の難度を上げるのは「埋まっている部分の言い換え」だからです。

本文の表現そのままで片が付かなくなるから、難度が上がるのです。

国語の学習において、「言い換え」は欠かせないポイントなんですね。

言い換えの言葉

言い換えるためには、言い換えるための言葉が必要です。

例えば、「嬉しい」という言葉を言い換えるだけでも、

心嬉しい、喜ばしい、喜々たる、楽しい、明るい、ご機嫌などなど。

沢山の類語があります。

言葉の量を多く持っておくことが、「言い換え」のための下準備になるわけですね。

けれども、「類語」とは「類している」だけで、似ているだけで、細かなニュアンスが違っています。

似ている、は違いがあるということですから、その違いを意識しつつ「言い換え」を行うのは、それ相応の知識が必要です。

そういった違いに対する知識を身につけながら語彙を増やせる問題集なども存在しますからね。

まずは、違いを意識した上で、類語の知識を増やすことが大切です。

長短・硬軟の調整

「言い換え」ができるようになると、言葉の長さを調整できるようになったり、言葉の硬さを調整できるようになってきます。

たとえば、「時間は前には戻らない」なんて内容を硬く短くすると、「時間の不可塑性」となりますよね。

言葉の長短、硬軟の調整ができるようになると、制限字数つきの説明問題に強くなれます。

コミュニケーションにおいても、相手の伝えようとすることを正しく受け取り、まとめた上で意見を交わすこともできます。

そういった意味で、「言い換え」の訓練は非常に肝要なのです。

では、どのように訓練をするのか。

それはまたの機会にお伝えすることに致しましょう。

前の記事

適切な負荷

次の記事

現古館で現古漢を