時間がない

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

国語を教えている私のもとには、おおよそ2パターンの「時間がない」が飛び込んできます。

私も国語を教え始めてはや10年を迎えましたから、「時間がない」が飛来するたびに、即座に捕捉して地面に叩き落とすことができるようになりました。

よく語られる内容ではあるのですが、大切なことなので書いておこうと思います。

国語に割く時間がない

まず第一の「時間がない」は、「国語に割く時間がない」です。

これは特に高校生によくみられる発言ですね。

私とてかつては高校の制服に身を通し、雨にも負けず風にも負けず、さび付いた自転車のペダルを高速回転させながら通学していた経験がありますから、高校の勉強の中で、「英語・数学」が占める割合の大きさは当然理解しています。

高校の勉強の半分以上が「英語・数学」に割かれることは知っていますし、その必要があるとも思っています。

しかし、「国語に割く時間がない」人の中で、「国語に時間を割かなくてよい」人はほとんど存在しません。

国語が入試に必要であり、なおかつ十分な実力が身についてもいない人が、「国語に時間を割く必要があるのに割いていない」のが実情です。

また、国語に割いていない時間を、他科目の学習に十全に利用できている人もまた、ほとんど存在しません。

必ずそうだというわけではなく、あくまで私の指導経験上そうだというだけですが。

よく言われる話ですが、時間は「ある」ものではなく、「つくる」ものです。

それが必要であるならば、なおのこと能動的に時間を確保する必要があるのは当たり前のことですよね。

とはいえ、自分でそういった時間を確保することが難しいことも事実です。

ですから、強制的にその科目の学習時間を確保させる「単科塾」が存在するわけです。

その場に来るということが、そのまま時間をつくることにつながるのですね。

週に一度、2~3時間。

そこで課された課題、週に2題~3題程度。

それだけはやる、と決めてしまうことが、最も簡単な方法です。

問題を解き切る時間がない

第二の「時間がない」は、「問題を解き切る時間がない」です。

これについては、「問題を制限時間内に解き切るための訓練が足りない」と一刀のもとに斬り捨てることができます。

要するに、練習を練習に留めてしまっていて、本番同等の負荷をかけた訓練を積めていないだけなのですね。

本番で練習通りの実力を発揮するためには、練習を本番のように行うしかありません。

人間が1分間に読むことのできる文字数は、400字~600字と言われていますから、本文・問題文の文字数から文章を読むのにかけてよい時間を逆算し、各問題を解くのにかけてよい時間を加え、それを制限時間とします。

各問題にかけてよい時間は、記述字数や問題の難度、意識している「本番」の種類によっても変わってきますから、その判断はプロの仕事です。

そうして設定された制限時間内で解き切る訓練を、できるようになるまで繰り返すのです。

結局のところ、そうした地道な訓練の先にしか成長はないということですね。


ただし、数ある「本番」の中でも、学校のテストだけは性格が異なります。

学校の国語のテストでは、授業で丁寧に掘り下げて解説され、幾度も通読した文章が出題されます。

ですから、「どこに何が書いてあるか」はある程度頭の中に叩き込まれていることを前提に作題されるわけです。

しかし、そんな「頭の中に叩き込まれている」内容をもとにした上で、点数差がつく作題をする必要がありますから、必然問題量は多くなります。

文章が「頭の中に叩き込まれてい」ない人が、ちょうど解き切れないぐらいの絶妙な分量が出題されるのです。

ということは、学校のテスト対策の基本方針は、「速読速解」だということになります。

「速読」というよりもむしろ、問題文から読み始めて、最終確認程度に本文を見る、ぐらいのバランスになりますね。

それが国語の力を測る上で適切かどうかの議論はここでは置いておくとして、ほとんどの学校のテストは上のような方針で解いていくことになります。

よって、教科書の文章の徹底音読が必要となります。

1日、10分~15分程度。

読むと決めてしまえば、そんなに大した時間ではありません。

けれども、それが365日続くとどうでしょう。

人間が聞き取りやすく話したときに、1分間に読める文字数が300字程度(NHKアナウンサーぐらい)だそうですから、10分読めば3000字。

3000字×365日=1,095,000字です。

途方もない力、つくと思いませんか?

いつやるの?

具体的な数字をたくさん出しました。

けれども、考えているうちは、誰も実行になんて移しません。

結論は1つです。

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