国語における知的腕力の重要性

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

今日は、国語における知的腕力の重要性についてお伝えしようと思います。

「知的」「腕力」という、一単語で矛盾を生みそうな表現をしていますが、そもそも「知的腕力」とは何でしょうか。

これは私の作った造語でして、

①入試現代文で頻出するテーマに関する知識

②現代文単語

③漢字

④古文常識・文学史の知識

⑤漢文常識

をまとめた表現です。

つまり、文章読解を助けてくれる基幹知識全般を指します。

国語を勉強する際に、「読み方」や「解き方」のルール、つまり「解の原則」を知ることは大変重要ですが、武器がどれほど強力でも、それを振り回すための腕力がなくては使いようがありません。

たとえば、次の文章を読んでみてください。

文学的クレオールは、一種の自覚的な誤読を通じた、「自己」への能動的変形である。

「クレオール」「能動的」は重要な現代文単語ですし、「自己」は入試現代文頻出のテーマです。

これらについての知識がない場合、上の一文は

□□□□□□□□は、一種の自覚的な誤読を通じた、「□□」への□□□変形である。

としか読めません。

意味なんて分かるはずがないんですよね。

知識、経験があるからこそ、そこから意味が読み取れるわけです。

読み方や解き方は勉強した、なのに成績が上がらない。

そんな人は、もしかすると根本的な知的腕力が不足しているのかもしれません。

では、どうしましょうか?

意識的に、書けている知識を埋める他ありませんよね。

あるいは『現代文のコア』

あるいは『現代文キーワード読解』

あるいは『上級入試漢字』

あるいは『日々古文常識』

あるいは『漢文 句形と単語』などを使って、早期に対策を進めておきましょう。

国語だけに時間をさくことができる受験生はいません。

困難は分割するのが王道ですよ。