令和3年度広島県公立高校入試選抜Ⅱ・国語:大問4の解説

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

令和3年度広島県公立高校入試選抜Ⅱ・国語:大問1大問2大問3の解説が終わりました。

最後に、大問4の解説をやっていきましょう。

大問4の概観

テーマは、「やさしい日本語」です。

大問4のテーマは毎年大きく変わりますが、与えられる資料や問題文による誘導が豊富であるため、

「自分の意見を書く問題」というよりは、「与えられた情報を文章として再構成する問題」だということができます。

昨年度の200字と比べて、記述字数が50字増えましたから、試験全体としての制限時間が厳しくなりました。

複数資料を用いる問題における情報処理の手順については、繰り返し訓練しておきたいところです。

「問い」と「条件」を確認→論の展開を決定

大問3の問4でもお伝えしましたが、複数資料を処理した上で記述問題を書いていく場合には、まず自分が何を書かなくてはいけないのかを把握しなくてはなりません。

そして、それを書くうえで役立つヒントが「資料」という形で与えられていると考え、資料の中でも読み取る優先順位を決めていきましょう。

今回の大問4の「問い」と「条件」を整理すると、以下のような形になります。

[問い]

①「やさしい日本語」を紹介し、

②避難訓練での使用を呼びかける文章を書く。

[条件]

①【生徒の会話】【資料1】を両方使う

②【メモ】の中の役割を、【資料2】を参考にして、「やさしい日本語」に作り替えた具体例を書く

③段落数の指定は無し

④250字以内

こうして、自分が目指すべきゴールを整理すると、論の展開が決まってきます。

今回は、〈「やさしい日本語」の紹介(利点の説明)→具体例→使用の呼びかけ〉という順序で書くとスムーズに書けるでしょう。

それを念頭に入れて、欲しい情報を資料からとってくるのです。

【生徒の会話】からは、〈だから、必要な情報を分かりやすく伝えるために〉という部分を、

【資料1】からは、〈絵や地図を示したり、筆談や身振りを合わせたりして〉という部分を、私ならとります。

上記の2点で「やさしい日本語」の紹介に必要な情報はそろいましたから、あとは【資料2】の情報を用いて【ノート】の内容を書き換えて具体例にします。

最後は、「やさしい日本語」の使用を促す呼びかけを書いて完成です。

大まかな採点基準としては、減点方式で考えるとようでしょう。

①字数【9割以下→ー1点 8割以下→ー2点】

②誤字・文法などのミス【1つにつきー1点、最大減点ー4点】

③内容の矛盾や表現未熟【1つにつきー2点、最大減点ー4点】

あくまで参考程度にですが、点数化をしておくことで、気をつけるべきポイントが明確になりますので、おすすめいたします!