共通テスト現代文対策に適した学習参考書

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

初回の共通テストは驚くほど骨抜きなものになっており、センター試験との違いを見出すことが難しい出来栄えでした。

けれども、2年目以降どのような作題になってくるかが不透明であり、複数資料型の出題そのものはありましたから、そちらへ作題方針を大きく振ってくることも考えられます。

よって、共通テストへのあたり方を考える上で参考になる学参を紹介してみようと思います。

①『イラストとネットワーキングで覚える現代文単語 げんたん 改訂版』:伊原勇一・土井諭・柴田隆行/いいずな書店

共通テストとはいえ、語句知識が読解を左右することは明らかですから、出題の有無に関係なく対策が必要な部分です。

単語帳として優れているだけではなく、改訂版の付録には「修辞用語」「詩歌の種類」「詩歌の鑑賞」についてまとまった情報が載っています。

共通テストの試行テストが、表現効果を問ってきたこと、「文学的文章」の間口を広げたことを受けての改訂でしょう。

国語便覧を趣味的に読み漁っている生徒ならいざ知らず、自分ではなかなか対策に手が回らない内容です。

広島では国泰寺高校が準拠教材として使っているのを確認しましたが、是非改訂版を使っていただきたいものです。


②『現代文 講義の実況中継』:安達雄大/語学春秋社

共通テストの分析、現代文の読み方・解き方、問題の解説講義、の順に載っています。

第一線で活躍されている予備校講師の講義が文章化されているわけですから、驚くほど分かりやすいです。

実力が付いているかどうかを判断する基準は「再現性」ですが、本文を読む上で、問題に取り組む上での思考過程が文章になっているので、それをそのままパクってしまえばいいわけです。

この一冊を読み込むことで、頭の中に革命が起こると思いますよ。


③『実用的な文章・図表の読解問題』:長谷川晃/旺文社

以前紹介した「現代文 基礎問題精講」と同じ著者ですね。

こちらはタイトルにある通り、共通テスト現代文の最大の特徴である「複数テキスト型」の対処法に特化したテキストです。

オリジナルの問題も6題ついていますから、実用的文章の問題に不安を覚えている人の特効薬になると思います。


④『国語[現代文]予想問題集』:小池陽慈/KADOKAWA

こちらも②と同様に、試行テストの分析から始まっており、③と同様に予想問題が付いています。

②の試行テスト分析が講義調だとすれば、この問題集は「語り」と表現できますが、読み物としても単純に面白いですね。

予想問題は4題ですが、いずれも選択肢がよく練られた力作です。

共通テストの形式を最終確認する上で使える問題集という位置づけになるでしょう。