高校現代文:基礎固めに有効な問題集

①『現代文読解基礎ドリル』:池尻俊也/駿台文庫
各問10分程度で終わるような良問が60題程度収録されています。
センター試験の過去問を短文化して問題数を絞るなど、初学者でも取り組めるレベルに調整されているので、現代文学習の一冊目に良いと思います。
全14章に分かれているのですが、各章で扱うテーマが明確なので、どこに着眼して読むかという意識付けがしやすいのも強みの1つでしょう。
問題そのものは取り組みやすいサイズでありながら、本文の解説、問題の解説は詳細なので、やりこみごたえもありますね。
ただし、ほぼすべての問題がマーク式なので、記述対策の問題集も並行して取り組みたいところです。

②『マーク式基礎問題集 現代文』:河合塾国語科/河合出版
①でマーク式の設問形式に慣れてきたら、こちらで共通テストの形式に慣れていく、という使い方が最適だと思います。
写真に写っている五訂版はセンター試験に寄っているんですが、最新の七訂版は共通テストに寄せた作りになっていました。
とはいえ、共通テストの対策にセンター試験の過去問やそれに準じた問題集も有効なのは言うまでもありません。
*画像は五訂版ですが、共通テスト対策の形式になっているのは七訂版です。
③『現代文 入試精選問題集7』:河合塾国語科/河合出版
①②がマーク式の設問へのアプローチを学べる問題集であるのに対して、こちらは扱う問題形式が広いです。
選択肢問題は勿論のこと、書き抜き問題、空欄補充問題、私大的な知識問題・・・。
現代文で目にするほとんどの形式の問題は、この一冊で触れることができます。
記述問題は50字~80字程度の標準的なものがほとんどですね。
私がここまで紹介してきている問題集は、全て「解説が充実している」わけですが、こちらも例にもれず、です。
そもそも解説が薄いものは紹介すらしないわけですから、解説が充実している、などとわざわざ書く必要もない気がしてきました(笑)
バランス感覚の良い、オールマイティな一冊と言えます。

④『現代文基礎問題精講』:長谷川晃/旺文社
私も「手で読む主義」を宣言しているわけですが、この問題集はマーキングの示し方が上手いですね。
文章をいかに構造的に読むか、を視覚的に分かりやすく教えてくれます。
「読解のアイテム」「解法のポイント」「解答の要素」、全てが端的に示されています。
自学に持ってこいの一冊です。
⑤『現代文標準問題精講』:神田邦彦/旺文社
タイトルに偽りありです。
全然標準じゃありません。
むしろ、知的な悦びに満ちた発展的内容がほとんどです。
何よりの特徴は、素材文の解説の密度の濃さです。
「素材文の噛み砕き」という名前が付いていますが、噛み砕いて、ペースト状にして、口移しするレベルの噛み砕き方です。
唯一の難点は、問題の解説が薄いこと。
自学で使えるのは、「素材文を深く読み込む訓練に」ぐらいでしょうね。
問題集、というよりは参考書に近い使い方が生きる一冊だと思います。