共通テスト直前対策~これだけ文学史~
広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
共通テストまで、今日を含めて残り4日となりました。
今回は、共通テストで出題される可能性のある文学史知識を、限界まで引き絞ってご紹介しようと思います。
本来であれば、腰を据えて、時間をかけて、通史的に解説したいところですが、今は状況が違いますからね。
最低限これだけは・・・これだけは知ってて・・・というものだけに留めております。
なお、内容の選定については、今年度の各予備校の模試と、共通テスト対策問題集・共通テスト対策予想問題パック 計14冊を参考としています。
「文学史が出たらどうしよう」という不安を軽減するお守りとして利用していただければ幸いです。
それでは、どうぞ。
これだけ古文文学史
古事記(712年)/口述:稗田阿礼 撰録:太安万侶/紀伝体(人物伝)/文学的/本居宣長「古事記伝」
日本書紀(720年)/舎人親王ら/編年体(年表的)/正史(六国史のはじめ)
風土記/五か国分が現存、完本は出雲国のみ/地誌
懐風藻/淡海三船/現存する最古の漢詩集
万葉集/8世紀後半成立といわれる最古の歌集/契沖「万葉代匠記」 賀茂真淵「万葉考」→ますらをぶり
古今和歌集(905年)~新古今和歌集(1205年)までに編まれた勅撰和歌集(天皇・上皇の命令で編纂) ⇒ 八代集
竹取物語/物語の出来始めの祖(源氏物語中で紹介)/現存する最古の物語
伊勢物語(在原業平が主人公か?)・大和物語・平中物語 ⇒ 歌物語(和歌を素材にして物語を作成)
栄花物語(道長をよいしょ)/大鏡(道長批判・大宅世継&夏山茂樹というハイパーおじいちゃん)/大鏡・今鏡・水鏡・増鏡 = 四鏡(だいこんみずまし と成立順に覚える) ⇒ 歴史物語
源氏物語 ⇒ 「浜松中納言日記」「夜の寝覚」「狭衣物語」「とりかへばや物語」「堤中納言物語」などに影響
⇒ 源氏物語に影響を受けた作品から、さらに影響を受けた「住吉物語」「松浦宮物語」などを擬古物語と呼ぶ
土佐日記/紀貫之(古今和歌集仮名序など)/現存する最古の仮名書き日記/土佐から都へ(都から土佐は×)
蜻蛉日記/藤原道綱母/現存する最古の女流日記
枕草子・方丈記・徒然草 ⇒ 三大随筆
日本霊異記/現存する最古の説話集
将門記・保元物語・平治物語など ⇒ 軍記物語
「狗張子」「雨月物語」など/江戸時代/上田秋成
「奥の細道」「野ざらし紀行」など/江戸時代/松尾芭蕉
これだけ漢文文学史
○詩人の系譜
盛唐:李白(詩仙/絶句)・杜甫(詩聖/律詩)・王維(詩仏/自然を詠む)
⇒ 名前と通称をセットで覚える 【りせっとせい!おふ! = り(李白) せ(詩仙) と(杜甫) せい(詩聖) お(王維) ふ(詩仏)】
中唐:白居易(白楽天)/柳宗元/韓愈
宋:蘇軾(蘇東坡)/王安石/陸游
唐宋八大家:柳宗元・韓愈・蘇軾・王安石など
○諸子百家
法家:信賞必罰(成功すれば報酬を、失敗すれば罰則を)/韓非「韓非子」
儒家:仁(思いやる気持ち)/礼(思いやった行動)/孔丘「論語」・孟軻「孟子」(性善説)・荀況「荀子」(性悪説)
道家:無為自然(人為の否定)/老聃「老子」・荘周「荘子」
墨家:非攻・兼愛(攻撃せず、平等に愛する)/墨翟「墨子」
縦横家:蘇秦(合従策…6か国同盟で秦と対抗)/張儀(連衡策:秦と同盟を結んで他国をけん制)
いかがだったでしょうか?
これくらいなら覚えられそうじゃないですか?
どのような出題がなされるのか不透明な共通テスト。
不安はつきないと思いますが、それを解消する一助になればと思います。