現代文のテーマをつかむための仕掛け

広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。

本日は少し毛色の変わった文体をお見せします。

最近、スタジオジブリがシーン画像の利用を解禁しましたね。

著作権が幅をきかせすぎると文化が死ぬ。

そんな危惧があってのことらしいですが、一ジブリファンとしては大変捗りますよ。

「んぁあ!!往年の名シーンで涙腺がぁぁぁあ!!!」と。

さて、ジブリ作品の中で最も興行収入が多かった傑作、「千と千尋の神隠し」。

見たことない人は…恐らくいないと思います。

千尋が神隠しにあった湯屋の世界観。

凄いよね。

ヒヨコのばけもんやら、顔だけのばけもんやら、大根のばけもんやら、まさに百鬼夜行。

でもね、あれが世界から見た「日本」のイメージだった時期があるんですな。

じゃぱにーずふじやま!にんじゃ!げいしゃ!

日本にあった伝統的な文化や民間信仰みたいなもの、それを日本文化の中核を占めるものだと誤解していたわけです。

西洋が東洋を神秘的なものとして捉える歪んだものの見方。

これを【オリエンタリズム】と言います。(E.サイード)

これは何も日本だけの話じゃなくて、非西洋文化圏全てに対してほぼ全ての西洋人が持っていた感覚なんだよね。

非西洋文化圏は、西洋とは異質な、意味不明な文化を持っている。

そんな誤解は、西洋人をして、非西洋文化圏を【野蛮・未開】なものとして捉えさせる方向に機能する。

なんせ西洋は当時近代化が進んでいる。

人間の理性で捉えられる世界のみを是とする【合理主義】が、宗教や呪術を駆逐し、王権神授説をうち崩していた西洋。

そこに住む人達は、非西洋文化を「合理主義に根ざしたもの」と捉えることは難しいんじゃなかろうか。

でもね、合理的じゃない文化って存在しないんだよね。

例えば「千と千尋の神隠し」のハクは龍神だ。

本名は饒速水小白主(にぎはやみこはくぬし)。

「川」の神様なんだよね。

龍神伝説が残る地を巡ってみると、その祠がある土地って、ほとんどが氾濫源なんだって。

龍神という畏怖の対象を置くことで、そこに近寄らないようにする。

これって、合理的じゃないのかね?

話を戻そう。

合理的、と一口で言っても、その言葉が指す範囲は広大だ。

【合理主義】の捉え直し。

ひいては、西洋=文明 非西洋=未開 という構図の捉え直し。

入試現代文に頻出なテーマ。

しっかりおさえておきましょう。


上の文章は、私の授業を受けている高3生向けに書いたものです。

現代文の頻出テーマである「合理主義」についてのお話です。

このように、国語の学力を上げる仕掛けをあの手この手で仕掛けております。

記事は100を超えてから数えていません・・・。

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