共通テスト直前!国語の学習戦略
広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
2021年元日、初めて行われる大学入学共通テストが目前に迫ってきました。
この記事では、共通テスト直前期に最優先でやっておきたい”国語“の学習戦略を伝授します。
1. 時間間隔を体に叩き込む
共通テスト・国語の試験時間は80分に設定されています。
実用的文章、文学的文章、古文、漢文と、4つの大問をこの時間で解き切るのは至難の業です。
もちろん、皆さんは3年間をかけて、模擬試験などの機会を利用して時間間隔を体に叩き込んできたことでしょう。
しかし、本番に向けて、再確認をしておいていただきたいということです。
その方法としては、以下の対策問題パックをお勧めします。
①共通テスト実戦パッケージ問題 2021青パック (駿台文庫)
これらの予想問題を、実際の試験時間と同じ80分を測って解いてみてください。
ここでの注意点として、大問を解く順番を固定しておくということが挙げられます。
なぜ大問を解く順番を変更しない方が良いかと言いますと、時間配分の感覚が固定化されないからです。
当たり前のことですが、実戦を練習通りにするためには、練習を実戦のように取り組む必要がありますよね。
これまで解いてきた順番で固定しているからこそ、1つの大問に時間がかかりすぎているときに気付くことができるのです。
8点の問題を解くために時間を使いすぎた結果、50点分の大問をまともに解く時間が無くなった、なんて悲惨な結果を招かないためにも、試験直前期に解く順番を変えるべきではありません。
入試本番への不安からか、今まで相手にもしなかったような怪しい「テクニック」や、トリッキーな方法論に頼ろうとしてしまう人が多く出てくる時期ではあります。
しかし、これまで積み上げてきた自分の努力を、何より大切にしていただきたいと思うのです。
2. 新傾向の出題形式への対処法を言語化しておく
共通テストの試行調査を解いてみると、様々な「新傾向」が目に留まると思います。
図表の挿入、複数の文章、法文書や契約書のような実用文、詩、会話文…etc
挙げていけばきりがありませんが、それらへの対処法は言語化できているでしょうか?
たとえば、大問1に法文書の資料がついていたとしましょう。
その資料はどのタイミングで読みますか?
大問2で《詩+随筆》の形式がとられたとしましょう。
まず読むのは「詩」ですか?
それとも「随筆」ですか?
「表現と効果」を問う問題がでたらどうでしょう。
選択肢はどのように切り分けて判断していきますか?
問題文はどのように分析していきますか?
と、今挙げたような戦略を、しっかりと言葉にして持っておいてください。
上に挙げた例であれば、
①まずメインテキストを読んで主題をつかみ、問題文の誘導に従って、適宜資料を読む
②随筆で筆者の考えをつかみ、詩の理解の助けとする
③表現/効果の間にスラッシュを入れ、本文の文脈を確認したうえで、効果の説明の妥当性を判断する
といった形になるでしょうか。
具体的な対処法を自分の中に持っておくと、解答方針をぶらすことなく、素早く問題にあたっていくことができますよ。
3. 知識問題攻略のためのドーピング法
センター試験の配点を参考にすると、知識で片が付く問題の配点が多いことが分かります。
大問1ー漢字ー2点×5=10点
大問2ー傍線部の語の意味ー3点×3=9点
大問3ー傍線部の解釈ー5点×3=15点
大問4ー漢字の意味・読みなどー最低でも4点×2=8点
大まかな計算でも40点前後は、単純な知識が問われるのです。
ここの抜けが多ければ多いほど、得点は不安定なものになってしまいますよね。
ですから、試験直前期に知識をドーピングする秘策をお伝えします。
①漢字帳・現代文単語帳・古文単語帳・漢文単語帳などを準備します。(通し番号がついているものが良いです)
②漢字帳ならば漢字の部分を、単語帳ならば意味の部分を赤シートで消し、それを頭に思い浮かべます
③意味が思い浮かべば合格、浮かばなければ不合格です。
④通し番号1~20をテストし、不合格の番号を書きます。
→ 1 3 6 8 10 13 15 19 20
⑤不合格の番号だけ繰り返します。【下の例では、4週目で合格していますね】
→ 1 3 6 8 10 13 15 19 20
→ 8 10 19 20
→ 19 20
→ 〇
⑥21~40、41~60…と進めていきます。
⑦100ごとに通しテストをします。【1~100、1~200…という感じですね】
以上、①~⑦の方法を「ピラミッドテスト」と言います。
注意すべきこととしては、
・前に戻らず先に進み続けること【1日経てば忘れているのが当たり前です。前に戻るのではなく、先に進み続けて周回しましょう。】
・完璧を求めすぎないこと【派生語句を覚えようとしたり、複数の意味を一度に覚えようとしなくてかまいません。まずは最も有名な意味を覚えましょう。】
・決して書かないこと【「見るだけ」に絞ることで、短時間での周回を可能にしています。】
の3点です。
理想的な学習法とは言えませんが、試験直前期のドーピング法として、暗記学習の入り口としてはかなり有用な方法です。
是非とも利用して、最後の追い込みをかけてもらいたいと思います。
頑張って下さい!