高校国語:現代文の語彙を増やすための参考書②
広島国語屋本舗 現古館・館長の小林です。
学参ソムリエが選ぶ!シリーズ第二回、いってみましょう!

【現代文の実力を高めたい人向けの単語帳】
①『読解評論文キーワード~頻出270語&テーマ理解&読解演習54題~』:斎藤哲也/筑摩書房
頻出語の解説が詳しく、今秋出版された「改訂版」では、「法・政治・経済の章」「小説の語句120語」が加わっています。
今話題の「AI」や「シンギュラリティ」など、時代に即した語句も多数収録されており、骨太な一冊です。
各章のはじめにある「ナビゲーション」はテーマの概観をつかむのに有用であり、熟読を勧めます。
キーワードと関わる、実際の大学入試に出題された文章が収録されており、読解演習も54題行うことができます。
ただし、文章の解説がメインで、問題の解説はないに等しいので、問題演習まで自学で行うことは実質不可能かな、と思います。
②『現代文キーワード読解~頻出テーマ×必修語210×入試問題~』:Z会編集部/Z会
こちらも①と重なる特徴が多いです。
各章のはじめにある「早わかりマップ」とそれにまつわる解説文は、テーマの概観をつかむ上で有用です。
反意語がセットで理解できるようになっていたり、キーワードに即した文章・解説・要約例が付いているところも①と似ていますね。
①ほど収録語句を現代語までカバーした印象はありませんが、入試頻出のテーマ解説や、付録の「読解ツール」、充実したコラムは圧巻です。
私が大学生のとき、国語を勉強し直すときに用いた単語帳なので、バイブル的学参と言えます。

【現代文の論点を文章でつかむための課題文集】
①『高校生のための現代文ガイダンス~ちくま評論文の論点21~』:五味渕典嗣・松田顕子・吉田光/筑摩書房
入試頻出の評論文に絞った「教科書ガイド」的な位置づけになると私は考えています。
頻出テーマを7つ設定し、そこに3つずつの文章が示されます。
著者紹介、論展開の図示・解説、要旨の200字要約、問題演習が揃っています。
入試現代文の入り口に最適な一冊だと思います。
②『入試までに必ず読んでおきたい現代文テーマ別頻出課題文集』:二戸宏義/駿台文庫
こちらは、大学入試で実際に出題された文章をテーマごとにまとめた課題文集です。
全80の文章が収録されており、それぞれの文章の主題が「切り口」という部分で端的にまとめられ、課題文の論展開を丁寧にまとめています。
課題文の論点を深める「考えてみよう」でも鋭い問いかけがなされていますが、これには解答がないため、自学でここまでやり切れる学生はほとんどいないでしょう。
頻出テーマに慣れることを目的として、その量を求めるなら良いテキストだと思います。